
防犯で持たせるなら「キッズ携帯」でいいのかしら?「キッズスマホ」?

子供の小学校入学を機に、放課後や塾など子供が保護者の目の届かない時間が増え心配になりますよね。
防犯や連絡の観点から子供に「キッズ携帯」を持たせようと考える家庭が多いと思いますが、最近ではスマホの低年齢化が話題になっている通り、小学生でもスマホを持っているケースも多いです。
ただ、結論から述べると、小学校低学年に防犯目的で持たせるだけなら「キッズ携帯」で充分です。
小学生のスマホ所有率は全然増加⇒しかし低学年で持っている子供はまだまだ少ない
直近の小学生のスマホ所有率は年々増加傾向で、2022年の総務省の統計によると小学生のスマホ所有率は2022年時点で59.5%です。
【小中高校生のスマホ所有率の推移 (2017~2022年)】
学年毎の スマホ所有率 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019 | 2018 | 2017 |
小学生 | 59.5% | 53.4% | 53.1% | 49.8% | 45.9% | 23.0% |
中学生 | 86.6% | 80.8% | 79.3% | 75.2% | 70.6% | 54.6% |
高校生 | 97.3% | 98.7% | 98.0% | 97.1% | 97.5% | 94.1% |
参考:令和4年度 青少年のインターネットの利用状況 | 総務省


防犯目的で持たせるだけなら「キッズ携帯」でいいです。
ドコモauSoftbankの「キッズ携帯」もスマホ寄りに進化!⇒防犯目的ならキッズ携帯でOK
また最近では「小学校低学年」を中心に防犯目的で持たせる「キッズ携帯」がスマホ寄りに進化しており、現在もドコモauソフトバンクでリニューアルしています↓
【ドコモauSoftbankのキッズ携帯の機種一覧表】通信会社 | キッズ携帯の機種名 | 見た目 |
![]() ![]() | キッズケータイ KY-41C ・2023年2月24日発売 ・本体定価:22,000円 (製品ページを見る) | ![]() ![]() |
キッズケータイ SH-03M ・2020年1月発売 ・本体定価:14,256円 (製品ページを見る) | ![]() ![]() | |
![]() ![]() | マモリーノ6 ・2023年2月発売 ・本体定価:22,000円 (製品ページを見る) | ![]() ![]() |
マモリーノ5 ・2019年2月発売 ・本体定価:11,000円 (製品ページを見る) | ![]() ![]() | |
![]() ![]() | キッズフォン3 ・2023年1月発売 ・本体定価:20,880円 (製品ページを見る) | ![]() ![]() |
キッズフォン2 ・2020年1月発売 ・本体定価:18,000円 (製品ページを見る) | ![]() ![]() |
以前ならキッズ携帯と言えば「GPS居場所検索」や「簡単な保護者とのメール」「家族間通話」が使えるだけでしたが、現在は「タッチパネル」や「カメラ機能」などスマホに近い機能が搭載され進化しています。
直近2023年でもドコモで「キッズケータイ KY-41C」&ソフトバンクで「キッズフォン3」をそれぞれ発売しており、各社新たな機能が追加されたキッズ携帯を出しています。
小学校低学年であれば、キッズスマホだけでなくキッズ携帯も進化しているので検討してみてもいいかもしれません。(LINEは使えませんがメッセージ+などは可能)
上記の表の通り、キッズ携帯は現在大手3キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)で取り扱っていますが、基本的には保護者が使っているキャリアで子供のキッズ携帯を契約しましょう。
そもそも小学校にキッズスマホは原則持ち込めない
そもそもの話ですが、小学校にスマホを持ち込むことは原則禁止となっているので、キッズスマホを子供に持たせても学校に持ち込むことが難しいです。
文部科学省の「学校における携帯電話の取扱い等について」でも、以下のように小学校への携帯電話自体の持ち込みがスマホの持ち込みは、「原則として禁止する」という方針になっている事が分かります↓
(1)小学校
➀ 携帯電話は、学校における教育活動に直接必要のない物であることから、小学校においては、学校への児童の携帯電話の持込みについては、原則禁止とすべきであること。
➁ 携帯電話を緊急の連絡手段とせざるを得ない場合その他やむを得ない事情(例えば、登下校時の児童の安全確保や遠距離通学、公共交通機関を利用した通学のためなど)も想定されることから、そのような場合には、保護者から学校長に対し、児童による携帯電話(例えば、子供向け携帯電話やフィルタリングによる機能の制限を設けた携帯電話など)の学校への持込みの許可を申請させるなど、例外的に持込みを認めることも考えられること。
このような場合には、校内での使用を禁止したり、登校後に学校で一時的に預かり下校時に返却したりするなど、学校での教育活動に支障がないよう配慮すること。
例外として「防災・防犯」目的であれば可能ですが、校内ではもちろん使えません。
【キッズスマホとキッズ携帯の違い】キッズ携帯は「連絡」「防犯」のみ⇔キッズスマホは”スマホ”
またキッズスマホとキッズ携帯の違いですが、使える機能が大きく異なります↓
後述するように、現在大手キャリアでは「小学生向けの制限機能のあるスマホ」は存在せず、「キッズスマホ」=一般向けのスマホにフィルタリングアプリをいれて一部の機能を制限しています。つまり子供にも一般向けスマホを持たせているんですね。
【キッズスマホとキッズ携帯の違い/機能比較】
機能比較 | キッズ携帯 | キッズスマホ (一般スマホ+フィルタリング) |
防犯ブザー | 〇(有) | – |
GPS居場所確認 | 〇(一部有料) | 〇(アプリで可能) |
通話 | 〇(事前に登録した相手とだけ可能) | 〇 |
操作方法 | タッチパネルが主流 | タッチパネル |
ショートメッセージ(SMS) | 〇 | 〇 |
カメラ | △(搭載機種も増えてきた) | 〇 |
インターネット検索 | × | 〇 |
アプリの追加 | ×(不可) | 〇(Appストアから可) |
上記のように「防犯ブザー」以外の全ての項目でキッズスマホ(現在は一般スマホ+フィルタリングアプリ)の方が機能は多いです。(スマホなので当たり前ですが)
「キッズスマホ」は結局のところAndroidやiOSを搭載したスマホなので、保護者が通常使っているような一般向けスマホの一部の機能を「フィルタリング」や「機能制限」で使えなく制限しているだけですからね。
対して「キッズ携帯」は、防犯ブザーやGPSによる居場所確認、保護者との通話や簡単なメール機能が付いている以外の機能はほぼなく、防犯と連絡に特化した端末となっているのが分かります。
当然アプリストアからアプリを入れる事もできませんし、LINEを使う事もできません。


しかし機能面ではスマホ優位に見えますが、問題は「スマホは使える機能が多い=子供が勝手に使ってスマホ依存症になってしまうリスクがある」という面で、自制心の弱い小学校低学年に持たせるのであれば、防犯・連絡目的ならキッズ携帯の方が無難とも言えます。
そもそも現在は「小学生向けのスマホ」は販売終了 キッズスマホ⇒フィルタリングアプリの入った一般スマホが一般的
そもそもの話「キッズスマホ」とは何なのでしょうか。
「キッズスマホ」にしっかりとした定義はありませんが、現在は「子供に持たせるスマホ」という広い意味で使われる事がほとんどです。
後述するように以前販売されていた「小学生向けの機能制限されたスマホ」というものは現在は販売されておらず、ドコモやau、ソフトバンクでは現在は「キッズスマホ=フィルタリングアプリを入れた一般向けのスマホ」を子供に販売しています。


参考ページ:小中学生向けキッズスマホ選び【最新版】
以前はドコモとauで小学生向けの機能制限付きのスマホが「キッズスマホ」として販売⇒現在は終了
数年前まではドコモとauで、以下の「子供向けの制限機能が最初から搭載されているスマホ」が発売されており、数年前まではこれらの機種をキッズスマホと呼ぶことが多かったです↓


販売キャリア | 子供向けスマホ機種 | 販売状況 |
![]() ![]() | スマートフォンfor ジュニア2(SH-03F) メーカー:SHARP (製品ページ) | 現在の販売状況:販売終了 発売日:2014年2月 販売終了日:2018年2月 |
![]() ![]() | ||
![]() ![]() | miraie f(ミライエフォルテ) メーカー:京セラ (製品ページ) | 現在の販売状況:販売終了 発売日:2017年1月 販売終了日:2020年2月 |
![]() ![]() |
詳しくは別ページで解説していますが、ドコモの「スマートフォンforジュニア SH-03F は小学6年生までしかプラン加入できない」など、いずれも小学生向けのスマホを想定して販売されており、キッズ携帯と一般向けスマホの中間といった位置付けとなっています。
しかし現在は両方とも販売を終了しており、現在は大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)では、「子供向けの制限機能が最初から搭載されているスマホ」という意味でのキッズスマホは販売されていません。
現在は唯一子供向けの格安SIM『トーンモバイル』がTONEスマホと呼ばれる子供の制限機能が豊富なAndroid機種を販売しているのみとなっています↓
トーンモバイルの子供向けスマホ『TONE e22』については別ページでもその性能について解説しているので、しっかりとした機能制限・ペアレンタルコントロールを使いたいなら現在唯一可能なキッズスマホと言えるのでお勧めです。