You make smart application

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●iPhoneアプリ。現場の本音からつむぎとった金言。2010年のiPhoneビジネス総括。
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2010年のiPhoneビジネスは今思えば、ターニングポイントだった。
この1年で、iPhoneビジネスにまつわる様々なプレイヤーとあってきた。

iPhone開発スクールでの700名の受講生、
交流会での600名のすでに参入しているビジネスマン。
ビジネスセミナーでの500名のこれから参入するビジネスマン。
その他、投資家、海外プレイヤー、各主要メディアなど、
たくさんの方とディスカッションをしたり、本音や金言をご教授いただいた。

今回は私論は外し、みなさんからいただいた助言を
キーワード集としてまとめて、みなさんにおすそわけしたい。


1.20本に1本。

アップバンクの宮下編集長によると、
毎日新作アプリを全て見ていてレビューするに値するアプリは20本に1本だという。
我々みたいな開発側の多くも、自分の中で決めている当たりアプリに遭遇する確率は、
20本だして1本くらいだという。
ちなみに当たったといえるダウンロード数は有料で1万ダウンロード。
無料で10万ダウンロードというのが、概ねの感覚だ。

2.開発3本ルール

ジークルーの佐々木代表が、iアプリの開発の時から言っている言葉が
「3本ルール」である。最初に開発したアプリは必ずこける。
3本を自力で作ってリリースしたプログラマーでないと、本命の仕事を任せられない。
逆にいえば、3本の開発は遊ばせておけということだ。

3.舐めたくなるアイコン

スティーブジョブズがiPhoneを初披露したときに、
「どうだい。舐めたくなるアイコンでしょ?」と言った。
いままでガラケーの絵文字やアイコンはドット絵職人によるものだったが、
それだとiPhoneではうけない。画素数が格段に高いキャンバスでは無意味なのだ。
アップストアのランキングでは、まずアイコンが一覧でならぶ。
グラデーションやツヤを出して、他のアプリよりも見栄えを良くした方がいい。
最初の関門であるアイコンデザインにトップクリエイターは手を抜かないのである。


4.スクショが全て

アップストアのアプリ詳細画面で、ユーザが必ず見るのがスクリーンショット。
アプリ画面の出来そのものが購買を決定する。
その画面で、どんな価値体験があるのか直感的に伝わらなければ購入されない。
いくら文面で良いアプリだとうたっても、百聞は一見に如かずなのだ。

5.幕の内弁当よりジャンボおむすび

これはテックファームの矢吹氏が言った言葉だ。
他にも色々なトップクリエイターが同様なことを言っている。
世の中には30万個のアプリがある。ならば、ある特定のシチュエーションを切り取り、
そこにインパクトのあるアプリを出した方が結果、ユーザの支持をうけるというわけだ。
わかりやすさ、シンプル、アプリはこれにつきる。

6.何度もバージョンアップ

Angry BirdsとGoodReaderは、度重なるバージョンアップで好セールスをあげた。
前者の場合、一度にやりきれないほどの面をバージョンアップごとに増やして、
アプリ寿命を長持ちさせるだけでなく、
バージョンアップごとに話題を作り、ランキングをあげてきた。
後者はあくなき利便性の改善がユーザの信頼を獲得した。
売れているから、バージョンアップできるという見方もできるが、
ただでさえすぐに飽きるアプリ群の中で「まだそれ使ってるの?」と言わせるには、
度重なるバージョンアップが効くことが開発者の中では常識になっている。

7.UIは3度作り直す

fladdictとしてiPhone界で著名な深津さんは、
最低三回はユーザインターフェイスの作り直しをすると言った。
トップランカーのアプリの開発秘話をきくと、
ほとんどのアプリが大幅な改善をおこなっていた。
アプリは、HTMLと違って、紙におこすだけでは、使い心地の検証が難しい。
一度つくってみないとわからないから、作り直すことを前提で開発するのがちょうどいい。

8.ボタンは42ピクセル

非常に多くのアプリがボタンが小さすぎて押しづらい。
このときに目安となるのが、最低40ピクセルは用意せよという経験上の数値だ。
また「あきらかにこれはボタンだ」というデザインを心がけよう。
折角良い機能を盛り込んでもユーザに知られないと意味がない。

9.カルフォルニアの色彩感覚

アメリカで買ったアイチューンギフトカードでアップストアに入ると、
アメリカのランキング順に入れ替わる。
そうすると見えてくるのは、彼らに受けるアイコンやスクリンショットのデザインが
我々と違うのではないかということだ。
サンフランシスコを歩くと妙に納得できる。
底抜けに明るい空、サイケデリックなウォールアート、通行人が着る地味なパーカー。
どうもこの色彩感覚がIT関連サービスでの常識なのだと。

10.他者の仕事をよく見る

数々のトップクリエイターと話してみて、いつも思うことは、
彼らは本当に多くの他の人が作ったアプリを見ている。
ここの部分がいい仕事してますね。ここは惜しいですね。など。
ビートルズのメンバーたちは、最盛期に週に何百ものレコードを買っていたように、
トップクリエイターは、アプリの評論家ができるほどアプリに詳しいのだ。

11.2週間以内。

開発着手してからアプリができるまでの期間を2週間とする。
化粧を何度も手直しするうちに化け物になるように、
アプリも開発期間を長くもてば最初のコンセプトがくずれてくる。
とくに情熱が無くなっていくのが一番懸念されるところだ。
急げば急ぐほど荒削りながらもいいアプリが出来るというのが経験論である。

12.六本木ではうまれない

ユードーの南雲代表は、地方のファミレスでアプリを考えてみたりするという。
実際のターゲットユーザの会話を横目に聞きながらやるとリアルに想像できるのだ。
アイデアは決して会議室ではうまれない。
ひごろからアプリのことばかりを考えていて、何気ない時に思い浮かぶ。
IT企業のひしめく六本木や渋谷ではヒットアプリは生まれていない。

13.定番のないところに定番を狙う

レインボーアップスのスクール生が作った「カロリー管理」が有料総合1位をとった。
今までにもカロリーを管理するアプリは20以上はあったが、
レビューを見る限りではヒットに至っていなかった。
誰もが思いつくアプリだけど定番アプリがないカテゴリーは狙い目だ。
彼らは、食品や外食の膨大なカロリーデータと、
摂取カロリーのみの管理という点に的をしぼって定番アプリをつくりあげた。

14.飲みながらやる

アプリがクチコミされる瞬間はどういうときか。
みんなで飲んでいるときが一番イメージできる。
そんなときに、どんなアプリが面白いか企画を考えるのが、
一番しっくりくるわけだ。
事実多くのクリエイターが、友達と飲みながらアプリを企画している。

15.他人の雑談

他人の雑談はアイデアの宝庫だ。こいつはこういうこと考えているんだという
新しい発見がある。普段喋らないような人間の生活を知るいい機会なのだ。
電車にのったとき、彼女やワイフが友達をつれてきたとき、
彼女たちがどんなことをしゃべっているのか、じっくり聞いてみよう。
アプリ企画が思いつくはずだ。

16.1000本ノック

千三つという言葉は1000個言って3つが本当のことをいうといったものだが、
アプリのアイデアも1000個言って3つが使い物になるようなものだ。
トップクリエイターたちは10や20のアイデアだけでは満足しない。
1000本ノックという言葉を合い言葉にしている人を何人も見かけた。

17.すぐつくる

鉄は熱いうちに打てというように、アイデアが思いついた瞬間が山場だ。
すぐに開発着手しないと、そのアイデアが陳腐になる。

下記ににあげる大ヒットアプリ、誰が最初からあたると読めただろうか。
ゴミ箱に紙くずを投げるPaper Toss。
ロープを切ってカエルにエサを食べさせる Cut the Rope。
果物が投げられてそれを斬りまくる Fruit Ninja。
変な名前のついたオナラを友達におくる iFart。
ただ池に鯉が泳いでいるだけの KoiPond。

すぐに作り切らないと、どうせ売れないだろうしとスポイルされていたはずだ。

18.100円の価値

アプリ開発者には心が痛むユーザレビュー。
彼らの辛口コメントには、「これは100円の価値がない」というような
コメントがよく見受けられる。
毎日、缶コーヒーや水には100円玉を当たり前に押し込むユーザが、
ことiPhoneを手に取るとずいぶん王様のように振る舞うのだ。
彼らの100円の価値にまどわされずに、我々は創作活動を続けていかなくてはならない。


19.レビューというはけ口

数万ダウンロード規模のアプリの開発者になると、
「このアプリの開発者は死ね。」というレビューの洗礼を受ける。
彼らはどうも、日々の鬱屈をレビューにて晴らそうとしているらしい。
もしあなたがこの洗礼を受けた時は、一人前になる儀式だと思って、
深く考えない方がいい。
レビューの改善要求は、クリエイターである自分も納得するものだけ、
真摯に受け止めるというアドバイスを多くいただいた。
レビューを全て真に受けると、創作活動をダメにするのだ。

20.無料1位は4万、有料1位は3000/1日

日本のアップストアでは、母集団が300万台で、
1日のダウンロード数は、無料1位が4万。有料1位が3千くらいとされる。
1ページ目であるランキング25位以内にくいこむには、
無料は数千、有料は数百という経験値が概ねの見解。

ダウンロード総数の歩留まりについては、
無料1位をとれるものは数十万ダウンロードというように
ランキング滞在推移を見ればある程度読めるので、
いろいろなアプリのダウンロード数は知っておくにこしたことはない。

なお、全米のアップストアは日本の10倍から20倍の規模となる。


21.100円は300円の3倍売れる

iPhoneアプリの値づけは、クリエイターの中でもあまり熟考されているとはいえない。
そのなかで貴重な意見もあったのでぜひ参考にしてほしい。
それは、値段が高いと良いレビューがつく傾向にあるということと、
ダウンロード数×単価である売上げは、単価によってあまり変わらないということだ。
だったらレビューのいい高額にすべきだという意見である。
ただし、先述した100円以上の価値があることが前提である。
バージョンアップ計画とともに適正な値段というのを自分なりに持っておこう。

22.無料から有料へは鞍替えしない

あるアプリに無料版と有料版があったとしよう。
おそらくほとんどの方はまず、無料版から試してみようと思うだろう。
そして、無料版を使ってみると、有料版はもういいやとなる。
人間はある程度想像できたものには、興味をしめさない。
こちらからは、お試しのつもりが、相手には、もう十分だから結構となるのだ。
不用意に無料にすると、チェリーピッカーの餌食になるだけだ。

23.毎日利用なら無料でアドオンが拓ける。

ほとんどのアプリは、なかなか継続利用に至らない。
このようなアプリははじめから有料できちんと売った方がいいのだが、
ついつい継続利用してしまうものは、無料で解放した方がいい場合がある。
Piano Manや、太鼓の達人は、無料である程度の楽曲が入って落とせる。
ヘビーユーザーやどうしてもこの曲が欲しいというひとに
どんどん楽曲データを追加購入させるしくみになっている。

24.広告モデルはメディアも主も疲弊

どうも、広告モデルは現状成立しづらいというのが大方の意見だ。
メディアか広告主のどちらかが分のいいというのが、
広告ビジネスの常識であるのだが、両方疲弊しているというのが現状だ。
いままでのウェブ形式であれば、リンクをたどる延長に広告があるし、
何かしらのキーワードがトリガーになっているのであるが、
アプリにバナーを貼ったところで、ユーザは広告に時間を割かない。
スマートフォンならではの広告のあり方の再定義が待望される。

25.開発者にも継続的レベニューを。

他社にアプリ開発を依頼しているような場合、バージョンアップがやりずらい。
開発体制の仕切り直しや、追加見積もりなどで、コスト面、スピード面で割にあわなくなる。
ただでさえ、開発費はおさえなければならない世界なので、
開発者にも大当たりがやってくるようなしくみにするのが賢明だ。

26.減価償却いみがない

そもそも減価償却とは、償却期間中もそのインフラが
売上げをあげるものでないと意味がない。
iPhoneアプリで何年も売れ続けるアプリはごく僅かである。
であれば、アプリの開発費を減価償却するというセンスを持つ経営者は、
阿呆同然ということである。

27.事業計画組み立てられない

世の中の95%のアプリが開発費をリクープできるどころか
まったく無風のアプリである。
今まで売れたアプリを見ても、誰も予想できないようなものばかりだ。
であれば、開発着手時に事業計画を立てること自体が無意味なのである。
闇雲にアプリを作り続けて、万が一ヒットの兆候を見つけた時点で、
ようやく追加開発計画を立てればいい。この世界は会議室ではどうにもならないのだ。

28.直感でやる

これは、ソーシャルアプリの世界でも同様なことが議論されていた。
そもそも、今までのインターネットサービスで計画通りいったものは何一つない。
経験を増やせば、直感もするどくなる。これを頼るしかない。
いきなり当てようとするから、おかしくなるのだ。

29.もはやファンサービス

あえて実名をあげないが、折角完成したアプリであっても、その出来が悪ければ、
リリースをしないというトップクリエイターが少なからずいた。
「なぜ出さないんですか。ある程度売れればいいじゃないですか?」という問いに対して、
「ファンが落胆するじゃないですか。一度落ちたブランドはもう戻らないんです」と。

30.30秒、25位、2週間、5回、15分、100倍、星4つ

ユーザの購入意志決定までは30秒。
ランキング25位以内に入らないと意味がなく、
ランキング滞在期間は2週間。
5回そのアプリを使えばもう飽きる。
あなたのアプリが開発期間が3ヶ月であろうと、
そのアプリの平均寿命は15分。
ある有料アプリと同様の無料アプリは100倍ダウンロードされている。
またレビューの100倍の数が、実ダウンロード数の目安。
レビューの星が4つだとランキングはあがり、
3.5以下だと、購入率が一気にさがる。
こういった数字はぜひクリエイター仲間同士で、ぜひ議論していただきたい。


31.値下げセール

アップバンクの村井氏は「今日のセール情報」が一番よく見られると言った。
毎日特定のアプリの値段をチェックしているユーザはほとんどいない。
にもかかわらず、そのアプリ値段がどれくらい通常より安くなっているのかという情報が
消費者の背中をグッと押すのだ。
数ある戦術のなかで「値下げ」が一番アテになるマーケティングといえる。

32.ブログ発信

iPhoneアプリの世界に飛び込むと、ここがいかに混沌とした世界なのかがよくわかる。
iPhoneアプリのノウハウについて書かれたものは、
必ず誰かが読んで、ツィッターなどで共有される。
みんな情報に飢えているからこそ、率先して情報を差し出し、名前を売ろう。
そういう地道な活動が、プロモーション時に花開くのだ。

33.テレビの絵になるか

テレビにとりあげられるアプリは軒並み、
翌日のアップストアランキングの上位に食い込むことがわかってきた。
だったら、こういう指標でアプリを作ってみてもいい。
一瞬でおもしろさが伝わるもの、外から客観的にみて面白く見えるもの、
これは「クチコミを誘発するか」という観点でも同じだ。
「つみねこ的か」「アップバンク的か」という指標でも同じことだ。
消費者の立場からの指標や合い言葉を用意しよう。

34.友達に自慢できるか、友達も自慢してくれるか

開発者から見て一番近い消費者は友達だ。
企画の段階から友達に見てもらい、助言をもらう。
そういう動きを常にしておけば、友達がプロモーションをしてくれるだろう。
友達が何もしてくれないようなアプリは、一般消費者の心をとらえるわけがない。

35.究極の混沌とB級グルメマーケット

これはゼペットの宮川氏が言った言葉だという。
いいものを作れば売れるというものではない。
時流をとらえ、流行をおこしたものが勝つ。
究極に難しい市場であるが、これは全員に平等分配されたチャンスと見るべきだ。
ゲームロフトやカプコンのゲームにだって、私たちは勝つことができるのだ。

36.ソーシャルはやらないの?

2010年の序盤の投資家たちは、ソーシャル銘柄ばかりに出資をきめこんで、
スマートフォンは時期尚早という見解をしていた。
ところが、6月のサバイブ計画セミナーで
ソーシャルアプリの父、赤羽氏が、時期尚早宣言を撤回し、
12月にはGREEがiPhone版をリリース、
そしてDeNAがスマートフォン向けのプラットフォーム構想を掲げた。
2008年のiPhoneビジネスの幕開け以降、腰の重かったベンチャーキャピタルが
やっとスマートフォンに注目しはじめたのが2010年だったのである。

37.コンテンツファンド

ウェブサービスと違い、一つのアプリをメインビジネスとして組むのは難しい。
今まで、ベンチャーキャピタルがスマートビジネスの企業に、
エクイティ投資をするのは難しいとされてきた。
その中で生まれたのがコンテンツファンドという、
アプリ単位で開発費を提供し、その収益から投資対価を受けるという
新しい投資モデルである。

38.ngi、光通信、サイバーエージェント、GMO

去年生まれたコンテンツファンドは、
ngi groupの「あっぷりぃファンド」、
光通信グループの「フューチャーオブアップス」、
そしてGMOの「アプリやろうぜ」だ。
サイバーエージェントは、「Start up 2010」というインキュベーションファンドを
掲げつつ、スマートフォン向けの子会社を4社設立した。
ガラケービジネスの勇者たちよりも、これらの企業がまず名乗りをあげたのが興味深い。

39.FourSquare、Groupon、EverNote、YouSteream

Twitterを皮切りにスマホの可能性を見いだし、巨大なビジネスを構築するプレイヤーが現れた。
ウェブでは実現困難なもの、アプリにすると便利に使えるものといったアイデアが、
これからもぞくそくと実現されることだろう。

40.セカイカメラ、ngmoco、フィジオス、美人時計

2010年の後半は、これらの企業のファイナンス関連のニュースがにぎわった。
2011年は、億単位の出資や買収劇が繰り広げられることだろう。

41.デザインはおもてなし

いまだに多くの専門家たちが、
「デザインを怠るクリエイターが多い」となげく。
ユーザは機能で買っているのではない、ファッションで買っている。
そう思って差し支えないだろう。

42.好きなひとにぐっとくるネーミング

ブルースギターだったら「ペンタトニック奏法」というように、
ネーミングやキャッチコピーにてターゲットを絞るやり方は、
そのターゲットの購買率をあげるだけでなく、
「この用語を知っていなんて、開発者も精通しているに違いない」
という共感をうむ。ただし、本当に精通していることが大切だ。
ただでさえ、「この制作者は●●を知っていない」
というレビューで悩まされるクリエイーターも多いからだ。

43.押した感触、音、加速度。

スマートフォンならではの表現力は使い倒そう。
これもまた消費者へのおもてなしだ。

44.リリースを伸ばしてもコダワリは追求

アプリを開発していると、リリースを急ぎたくなる。
しかし、最後のコダワリの一塩で、アプリが劇的によくなるのだ。
GREEの青柳氏はソーシャルアプリ事業者たちに対して
「リリース後も2週間はバージョンアップのリソースを配備しておこう」とアドバイスした。
ソーシャルアプリと違い、iPhoneアプリはすぐにバージョンアップができない。
ならば、最終調整のための時間を前もって準備するしかない。

45.友達に自慢する

「俺はいいアプリを作っているから、あとはユーザが広めてくれる」
なんてことは全くない。開発者自らが「このアプリは本当にいいんです」と胸を張って言おう。
制作者が営業マン。自ら手売りする覚悟で開発に打ち込んで欲しい。

46.好きなことをやれ。

「どんなアプリが売れるんですか?」という愚問に辟易するトップクリエイターは多い。
彼らは自分のやりたいことをひたすら愚直につきすすんでいるだけなのだ。
ヒットした後の跡づけ理論も全く役に立たない。
マーケットインとか、インサイトとかという御託も要らない。
ただクリエイターの哲学をきちんと表現し、たままた時流に乗ればヒットとなる。
映画だって、音楽だって、テレビ番組だって、そのようなものなのだから、
iPhoneアプリだけが例外とはならない。

47.他のクリエイターをリスペクトする。

スティーブジョブズは20万人のクリエイターを束ねて、
彼らを同じ土俵で戦わせ、高見の見物をしている。
一方、我々は、他のクリエイターがヒットを出すとついつい妬み、
ヒットした方はノウハウを出したがらない。
当てた者の中にはそそくさと勝ち逃げした者もいる。
だが、冷静に考えてみよう。私たちの本当の敵は消費者であり、
そして味方も消費者である。数は違えどクリエイターごとにファンがいる。
自分のファンのためにやらなければならないのは、
クリエイター同士で様々な知見をシェアし、それをファンに還元することである。
他人のアプリにあくどいレビューをつけるなんて足の引っ張り合いをする暇なんかない。

48.当たるまでやり続ける。

石の上にも三年。iPhoneの世界ではまったく縁の無い言葉のようだ。
毎年、多くのクリエイターがこの世界から消えている。
どの世界でも経験を積めば、その仕事のクオリティがあがる。知見もたまる。
当時見えなかったものが見えてくる。大変だったことが大変でなくなる。
いつも今の状態が、積み重なった頂点にいる。スポーツと違って体力的なピークはない。
つまり、今、この場を去る理由などひとつもないのだ。
泣くのがいやなら、さあ歩け。いつかは虹の見える日がやって来るだろう。


追記)
このコラムをアップしてから4日間で1万人以上の来訪者に読んでいただきました。
誠にありがとうございます。詳しくは、2011年2月8日(火)8時よりApple銀座店にて無料セミナー
RainbowappsSchool Presents ヒットするiPhoneアプリの開発法則。2010年総括編。
を行います。あわせて、アップストアのランキング分析の講座も行います。ぜひお越しください。

開催日程:2月8日(火) 開催時間:19時-20時  ストア名: Apple銀座店3F


<講演者> ジークラウド株式会社 渡部薫 Eagle株式会社 藤永真至

イベントタイトル:ヒットするiPhoneアプリの開発法則。2010年総括編。


第一部:App Storeのランキングから見るアプリの秘密(渡部薫)

過去1年間と1ヶ月間でランキング1位を一番長く取ったアプリを一挙ご紹介。

それをカテゴリ別に別に紹介しながら、なぜそんなにも長くランキング1位の座にいられたのかその秘密についてご紹介します。


第二部:ヒットクリエイターの常識。現場の金言集。(藤永真至)

レインボーアップススクールのブレイクタイム講座で語っているiPhoneアプリのヒットノウハウの一部をこっそりお裾分けいたします。今回は、現場のトップクリエイターたちが語っていた助言や本音を2010年の総括として紹介します。


主催者プロフィール: 日本最大規模のiPhoneアプリ開発スクールです。2ヶ月で10回、毎回違うサンプルアプリを作りながら、ご自身の企画したアプリを開発し、アップストアにてリリースするのがゴールです。2010年は受講生の中から日本の有料総合1位アプリが生まれました。2011年の目標は全米1位アプリを出すことです。





iPhoneアプリ開発・受注発注の掟


10月22日にApple銀座店で行われましたアップバンク主催の天覧試合にて@ikibenが登板しました。
登壇前に総合37位だったiPadアプリ、ZenArtist:水墨画の世界が翌朝には
12位まであがりまして、あれよあれよとその日のうちに4位まで上がって、大変ビックリしております。
誠にありがとうございます。

次回は12月13日のApple銀座店でレインボーアップス主催のアプリ自慢忘年会をやる予定です。


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●3本以上の開発スキルと、20本以上のプロデュース経験が出会い、ランキングの神様が微笑む。
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スマートフォン業界において「JT」と呼ばれているのが、
何を指すことであるかご存知だろうか?

「受託(開発)」の頭文字をとったもので、
いままでの「受託」とは違う様相であることから、
あえてこう呼んでいるのだ。

何が今までと違うのか。

簡単に言えば、安価(クライアントから見たら高価という世界なのであるが)で、
納期が見えず、次のアプリの生産計画が見込めないというという
経済効率の悪さと、いまが旬ゆえの大切な人材を
そんなものに、つぎ込んでいいのかという戦略的効率の悪さがあげられる。

ご存知のように誰でも参入できるスマートフォンアプリの世界だからこそ、
ヒットを当てるのが難しい、だからといって、
手堅くお金がもらえる受託に手を染めていいものなのか、
開発会社にとって、悩ましいのがこのJTというやつである。

「JT」は麻薬のようなスパイラルに陥りがちで、
iPhoneにいちはやく取り組んだ先輩ディベロッパーは、
一攫千金を夢見る自社アプリ開発をやめ、
爪に火をともすような受託開発で生き残りを余儀なくされている。

そもそもi-modeビジネスは、今思えばやりやすかった。
たくさんの専門産業が形成され、テンプレートビジネスといわれる、
待ち受け、占い、着メロ、着うた、デコメ、きせかせ、電子書籍というカタチが、
計画生産や計画収益のアテになった。

ひとたび当てると、そのカタチを量産、下請け会社や広告会社を潤わせ、
IPOのExitをめがけて、収益は再投資につぎこまれた。
受給バランスがコントロールされたなかで、
まさにクライアント側にお金とノウハウが貯まるビジネスだった。

スマートフォンビジネスは、まったくその逆で、
あまりにも過当競争ゆえに、最初の開発費は抑えられ、
一発当てたとしてもヒットの再現性がないから、
すでにiPhoneビジネスから勝ち逃げのカタチで撤退をするものもいる。

クライアントにとって外部発注の罠は、
納期遅れや、バージョンアップ毎のメンテナンスコスト、
下請け会社にとっての受託の罠は、
曖昧な仕様、妥当ではない相見積もり、作ってからのやり直し、
など、双方にとって分の悪いものとなっている。

なぜ、そうなるのか。

まずあげられるのが細分化されるプログラマーの専門スキルだ。
OpenGLなどの表示系、WebKitなどのクラウド連携、
CoreAudioなどの音再生、SQLiteなどのデータベース、
アプリ内課金や独自サーバ連携など、多彩なスキルをクライアントはジャッジできず、
受託側は「できる」といいながら、それは「やればできる」で、納期のコミットをしない。

そして、アプリという製品としての得意分野の細分化だ。
ゲーム、ツール、楽器、ビューアー、写真加工、AR、加速度やジャイロなど、
スキルを製品に昇華させる得意技が、ひとや会社によって違うのだ。

何せ、アプリはiPhoneアプリだけで30万点ある。
それだけアプリのバリエーションがあるのだから、
業者の選定は困難を極めるのは当然である。

少なくともクライアントが発注先を選定するためにやれることは、
「このようなアプリを今まで3回は開発したか」と尋問することぐらいである。

いざ開発をすすめるとなっても、さらに困難が待っている。

トラブルを未然に防ぐためには、
徹底的に競合アプリや参考になるアプリを使い倒して、
その情報を下請け業者と共有し、こまめに途中経過を見るという不断の努力が必要だ。

実にくだらないと思われるかもしれないが、
開発会社のメンバーを酒の席に誘い、夢を語り合うことがプロジェクトをうまくすすめる。
こういった時間の共有が、上記のサボりがちなお互いの作業を埋めるからだ。

逆に受託側にとって大事なことは、
専門スキルや、専門カテゴリーの明示であり、
専門でない仕事は、それを得意とする開発会社にまわすという、
仕事のまわし合いの精神であり、
こういった精神を持てば、信用できる人間から仕事を貰うことができる。
とにかく、よくわからない人(経験のない人)から仕事をもらってはならない。

あと、意外に大切なのは、有能なデザイナーや有能な音職人もネットワークに持つことだ。
アプリの売れ行きに貢献するのは、デザインや音だったりする。
こういった職人たちもアプリプログラミングの仕事を紹介しあったりしている。
当然、自分たちとおなじように、
その職人たちの得意分野も細分化していることにも注意しなければならない。

最終的にその仕事をうけるかどうかを決めるために、
クライアントにこう聴こう。

「あなたはアプリを今まで20回はプロデュースしましたか?」と。

筆者がいろいろなクリエイターに聞いた確率論でいうと、
20本に1本が、有料で1万本以上のセールスを出している。
であれば、当てるためには、20回のプロデュース経験があるに超したことはない。

20回のプロジェクトのなかで、いろいろな競合を見て来て、セールスの反応や、
いろいろなレビューをかかれた経験などが、彼らに蓄積されているからである。

受託側、発注側、双方に大切なこと3つあげるとすれば、下記のとおりだ。

・経験を嘘つかない
・スケジュールを守る
・役割分担を明確にする

それってビジネスの基本中の基本だと誰もが思うかもしれないが、
この前提がないのが、このスマートフォンビジネスだ。
ひとえに経験者が少ないビジネス黎明期だということである。
プロなんかいない。お互いにプロになっていかなくてはならない。

実は癌になっている存在もいる。それは、中間搾取業者だ。
フットワークが軽い者たちだから仕方のないことだが、
「仕事は間に入るものではなく、お互いまわしあうもの」という
先述の精神をもてば、案外紹介だけでなんとかなるのである。

アプリを世の中にだすクライアントにしても、
アプリを実際開発するディベロッパーにしても、
競合といって牽制しあわず、お互いをリスペクトしあえばいいのだ。
消費者によりレベルの高い商品を出そうとする共鳴が、
結果的に業界を潤わすのである。

最後にまとめるとこうなる。

狙っている分野のアプリ開発3本以上の開発スキルと、
20本以上のプロデュース経験が出会ってはじめて、
ランキングの神様が微笑む。

ユーザの評価を得なければ、儲かる仕事、
そして継続する仕事にはならないのである。

60本のうち59本のアプリが消費者からクソアプリと言われ、
すぐに忘却されるなか、私たちは業界内でいさかいをしている暇などない。

いちはやく、身の回りにヒットクリエイターを生み出すことだ。
世界中のクリエイターたちがいさかいあっているうちに。



iPhoneアプリ開発のススメ


先日10月4日にApple銀座店で開催されたイベントで上映された資料です。
●RainbowApps Presents:iPhoneクリエイター誕生秘話
RainbowApps iPhoneアプリ開発スクールの受講生による公開イベントです。
プログラミング経験のまったくなかった初心者がアプリをリリースするまでの秘話や、
AppStoreランキングインを経験した受講生の開発話を交えながら、
みんなが一生懸命作ったそれぞれ個性のあるアプリを紹介します。
トップクリエーターを育成するRainbowAppsならではの、
iPhone / iPad アプリ開発のノウハウやアプリのおもしろさをお伝えします。
これであなたも、iPhoneアプリのトップクリエイターの仲間入りです。

■出演者 司会:藤永/相澤:レインボーアップススクール運営者

■アプリ紹介者
・佐藤浩昭さん、朴さん、垣花さん(1期生):カロリー管理(有料総合ランキング1位)
・島田清夏さん(1期生):花火100選(有料旅ランキング1位、総合30位)
・永井智子さん(1期生):デコ電卓
・水谷雅宏さん(2期生):かけざんロボ(教育14位)たして10(教育60位)あとだしジャンケン(ファミリー80位)
・臼井廉人さん(3期生):SM診断(有料総合ランキング7位)
・渡部薫:レインボーアップス


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●素人発トップクリエイターに学ぶiPhoneアプリ開発の秘訣
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レインボーアップススクールにて、初めてiPhoneアプリを作りはじめて、
アップストアのランキングインを経験した卒業生を集めたイベントが、
10月4日にApple銀座店にて行われた。

今回は、彼らから見たiPhoneアプリの世界について特集してみたい。



●きっかけは軽いノリから。

・彼女から「iPhone好きだしアプリ作ってみれば?」と言われた。
・これだったら今のスキルでもできるかも。
・講座で知り合った仲間と意気投合。
・娘のためにiPhoneアプリをつくってみたい

以上のように、はじめから明確にこんなアプリを作りたいという想いがあるわけではなく、
なんとなく興味を持ったという程度であることが面白い。
他の受講生と彼らのどこが違うのか、インタビューを進めているとそのポイントが明らかになった。


●プログラム開発以外にも苦労している。

まず共通していることが、時間の捻出だ。
今までの生活からiPhoneアプリ開発分の時間を割き、卒業以後も確保している。
その確保した時間を、アイデアの創出や、使いやすさの追求、イレギュラーな操作の対応処理など、
アプリの完成度を高める作業についやしている。
一度ランキングインを経験すると、画像や音などの素材、他のアプリの発売動向などが、気になり始め、
自分の創作作業に対して厳しくなっているようだ。
また、同じ立場になってわかる著作権への理解や、掲載許可のこまめな依頼など、創作意識の変化も見られる。


●アプリを出して何が変わった?

・受託開発の仕事をもらった
・社長がiPhoneに興味を持ち出した
・テレビや雑誌をアプリ目線で見るように。
・社内の人の自分への見方が変わった。
・テレビ放送で、職場でも近所でもヒーローに。

レインボーアップススクールをきっかけに、
「生活ががらりと変わった。」という卒業生は多い。

アプリを出すと、友達が応援してくれ、一般消費者からも手応えを感じる。
何かしらの気づきがあると、受講生同士でシェアをして、また次の創作に活かす。
このようなスパイラルは、普通のカイシャ生活では無いものだとみな口を揃えて言う。


●日頃、努力していることは?

・アイデアをひねるために走る。
・徹底的なリサーチ。ターゲット層に意見を聞く
・他のアプリの情報入手を怠らない
・寝る前の1時間を開発時間にする。
・フォトショップなどの素材制作スキルアップ

質問の答えは様々だが、そもそも努力家だというところが共通している。
たまたまヒットしたように見えて、実は自分に鞭を叩いている人たちなのだ。


●売れるアプリの秘訣は?

・自分ならではのこだわり
・見た目のデザイン
・機能、品質、低価格では、そこそこ売れても爆発しない。
・使いやすさ、伝えやすさ、わかりやすさ。
・ターゲットが明確かつ自分が欲しいもの。

一発売れたからと言って、その後付けの理由を言うことは簡単だ。
しかしながら、次のアプリをまた売れるものにするために、
彼らはヒットの再現性をすでに模索している。
それだけに、彼らのインタビューへの答えは素早く歯切れがいい。


●異業種交流であり、年齢層が幅広い「同期」がいる。

レインボーアップススクールはすでに、
1ヶ月違いの先輩、後輩がいて、1期生から9期生までいる。

メーリングリストや懇親会では、誰も強制していないのに、
「3期生の後藤です」といったような、自分が何期生かを名乗る習慣がある。

先日、友人の起業家から「こないだレインボーアップスの2期生と会いましたよ。」といわれてビックリした。
彼らはスクールの外でも、レインボーの何期生であるかを表明しているのだ。

1期生がカロリー管理で1位をとれば、2期生が「俺たちも!」と鼓舞される。
かと思えば、期をまたがって開発上の質問を答えたり、ふらっと卒業生が遊びにやって来たりする。

「仲間のアプリのリリースが自分ごとのように嬉しい」
「リリースしてからも応援がどれだけ心強いことか」

こういった言葉が普通に聴ける、「強い味方でありライバル」の集団なのである。

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